会社情報―神力の使命

 神力設計は1982年12月に開設以来、数多くのクライアントの方々にご支持いただき、クライアントの方々にとられましても、又、神力設計にとりましても、本当にかけがえのない作品を設計させていただきました。
 開設当初は無我夢中の数年でしたが、振り返って自問したときに、本当にクライアントの方々の期待に応えたのか、まだまだ全力を尽くすべき点が多々あったのではないか、と考えています。
 その反省を踏まえ、さらに成長を目指し、努力と研鑽を重ねる覚悟です。

 開設当初は、店舗付住宅を多くさせていただきましたが、ここ10数年、医療、福祉、教育、店舗、住宅の設計を中心に展開しています。
 建物の用途が多種多様に渡っているように見えますが、神力設計の作品として、完全に貫いている要素があります。それは福祉環境の設計です。
 この福祉環境の必要性は、医療及び福祉施設ではもちろんのこと、私たちが設計した教育施設は、高校看護科実習棟、短大福祉介護棟等であり当然のことながら福祉環境は必要不可欠です。
 更に、佐伯支援学校をさせていただき、生徒自身が障がい者です。
 住宅に於いても、高齢者、あるいは車いす使用を含む障がい者の為の設計をさせていただきました。
 又、店舗といっても、社会福祉法人博愛会様が発注してくださった障がい者を歓迎するためのホテルの設計です。「バリアフリーの機能性を持たせながら、ホテル特有のセンスの良さ、華麗さ、スマートさを随所に盛り込む。」を基本コンセプトとして頂戴し、設計をさせていただきました。
 以上、神力設計の作品は高齢者、障がい者の身になって設計しているという意味で、終始一貫しています。
 

 私は、別府溝部学園短期大学介護福祉学科において、数年に渡り福祉環境整備の講義を担当してきました。
 更に、大分県高齢者総合相談センター専門相談員として、数々の個別相談を受け、高齢者、障がい者の住環境の改善に向けて、僅かですが寄与したものと信じています。
 又、大分県高齢者総合相談センターの要請により、講演活動もさせていただきました。
 以上、様々な活動が、日本文理大学の准教授、西村先生に私の情報が伝わり、県の地域福祉推進室より、「大分県福祉のまちづくり条例」の見直しについて、参考ながら私の意見が欲しいとの連絡がありました。
 もちろん、シンプルですが早急に、意見を述べさせていただきました。私たちが、バリアフリー、ユニバーサルデザイン、そしてノーマライゼーションと常々研鑽を重ねたこと、又実践の成果が僅かでも評価され、お役に立つのであれば大きな喜びとなります。

 尚、私が福祉環境に燃えたぎるような情熱を持っている背景には、私の家庭の事情があります。私の長女は、身体障害者第2種3級の障がいを持っています。
 がしかし、当事務所の設計業務に活発に励んでいます。
 手足に障がいを持っていますが、クライアント、来訪者の方々のご理解、スタッフの支援と、更に当事務所自身のバリアフリー化とが、あいまって健常者となんら遜色なく活躍しています。
 パソコン操作においてはもちろん、特にCAD操作については並一通りの技術ではありません。
 以上の事実を鑑みて、障がい者が働ける当事務所におけるバリアフリー、ユニバーサルデザインには、設計現場ならではのリアリティが自然に成果として滲み出ています。従って、私共の設計には、単なる理論や学習では決して得られない臨場感や切実さを提供できるものと考えています。

 以上、福祉環境整備を中心に述べてまいりましたが、しかしバリアフリー、ユニバーサルデザインのみを重視し、豊かな建築空間の創造を軽視している訳ではありません。現在、非常に美しいデザインの建築が数多くあります。しかしその中には、高齢者、障がい者、にとって辛いデザインもあります。
 特に階段のデザインに顕著に現れています。
 もちろん個人差もありますし、それはそれで存在価値も大きいわけですから、別に批判するつもりはありません。
 ただ、神力設計のデザインポリシーは、より大きい意味でのユニバーサルデザインです。年齢や性別、障がいの有無に関わらず「全ての人のためのデザイン」それも豊かな、人々を魅了するデザインを目指します。
 つまり、ノーマライゼーションの理念を基礎に、人々が何らかのハンディキャプ故に豊かな文化を楽しむことや、制限されることのない福祉環境の配慮を尽くした建築を創ることです。そして更に社会に啓蒙することを目指します。

 最後に「生きることを祝福する建築の創造」これを神力設計の使命(MISSION)として掲げ、如何なる人生を歩んでいる人であっても、命の底に響く建築の創造を目指し、今後の活動に全力を注ぎます。